住宅の適切な面積は、快適で健康的な生活を送るために重要です。
国土交通省によると、居住面積は世帯人数やライフスタイルによって異なります。
国が定めた居住面積の水準がありますので、それを参考に必要な面積を計算してみましょう。
住生活基本計画(全国計画)
住生活基本計画(全国計画)は、住生活基本法に基づき、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本的な計画として策定されています。
計画では、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する目標や基本的な施策などを定め、目標を達成するために必要な措置を講ずるよう努める、とされています。
この計画の中で、居住面積水準が規定されています。
誘導居住面積水準
世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として、多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる住宅の面積(住戸専用面積・壁芯)に関する水準です。
都市部における共同住宅を想定したものと、郊外などの一戸建て住宅を想定したものがあります。
算定式
住戸の型 | 単身者 | 2人以上の世帯 |
都市居住型(共同住宅) | 40㎡ | 20㎡×世帯人数+15㎡ |
一般型(一戸建て住宅) | 55㎡ | 25㎡×世帯人数+25㎡ |
※世帯人数が4人を超える場合は、上記の面積から5%を控除します。
世帯人数別の面積
よくある世帯人数で計算してみました。
住戸の型 | 単身者 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 |
都市居住型 (都市の中心及びその周辺) | 40㎡ (12.1坪) | 55㎡ (16.7坪) | 75㎡ (22.7坪) | 90㎡ (27.3坪) | 109㎡ (33坪) |
一般型 (都市の郊外及び都市部以外) | 55㎡ (16.7坪) | 75㎡ (22.7坪) | 100㎡ (30.3坪) | 119㎡ (36.1坪) | 143㎡ (43.3坪) |
世帯人数は、3歳未満は0.25人、3歳以上6歳未満は0.5人、6歳以上10歳未満は0.75人として少なく算定するという特例がありますが、ここでは10歳以上の者として記載しています。
この特例からもわかりますが、子どもの年齢が上がるほど賃貸集合住宅では手狭に感じ、一戸建て住宅がほしくなるのも納得できます。
最低居住面積水準
世帯人数に応じて、健康で文化的な住生活を営む基礎として、必要不可欠な住宅の面積に関する水準です。
算定式
単身者 | 2人以上の世帯 |
25㎡ | 10㎡×世帯人数+10㎡ |
世帯人数別の面積
単身者 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 |
25㎡ (7.6坪) | 30㎡ (9.1坪) | 40㎡ (12.1坪) | 50㎡ (15.2坪) | 60㎡ (18.2坪) |
2000年代は広かった
管理人は2009年頃の新聞(地方紙)折り込みチラシに、参考プランとして総2階38坪の間取りが掲載されていたのを覚えています。
当時は2階建て、4人世帯が主流だったので、この誘導居住面積水準36.1坪に階段2坪(1階と2階でそれぞれ1坪計算に入れられる)を足した坪数を基準に、記載していたのでしょう。
地方で平屋を建てるとすると、上記の面積が誘導居住面積水準になります。
算定式は今の時代に合うか
算定式は、2006年(平成18年)に最初の住生活基本計画が策定された時から変わっていません。
近年、建設資材・人件費の高騰や、省エネ基準見直しによる住宅性能の向上など、建設コストの上昇要因が続いています。
住宅面積を減らせば費用総額も減らすことができるため、パンフレットに掲載されている間取りも20坪代が多くなりました。
誘導居住面積水準のとおり建てようとすると、費用の総額が非常に高くなりますので、手が届かない人がたくさん出てしまうのではないでしょうか。
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