今回は、住宅の適切な面積についてお話しします。
快適で健康的な生活を送るためには、適切な居住面積がとても重要です。
そこで、国土交通省が定めた居住面積の基準を参考に、最適な面積を計算してみましょう。

住生活基本計画って何?
まずは「住生活基本計画」についてご紹介します。
住生活基本計画は、住生活基本法に基づき、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本的な計画として策定されています。
計画では、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する目標や基本的な施策などを定め、目標を達成するために必要な措置を講ずるよう努める、とされています。
- 国土交通省 住生活基本計画(全国計画)
居住面積の基準とは?
計画の中で、具体的な居住面積の水準が示されています。
これには、都市部の共同住宅や郊外の一戸建て住宅など、さまざまなライフスタイルに応じた面積が含まれています。
- 誘導居住面積水準:豊かな住生活の実現を前提とした面積
- 最低居住面積水準:健康で文化的な住生活を営むために必要な最低限の面積
誘導居住面積水準の計算方法
この水準は、世帯人数に応じて計算されます。
以下の算定式を使って、自分の家族に合った面積を確認してみましょう。
都市部における共同住宅を想定したものと、郊外などの一戸建て住宅を想定したものがあります。
算定式
住戸の型 | 単身者 | 2人以上の世帯 |
都市居住型(共同住宅) | 40㎡ | 20㎡×世帯人数+15㎡ |
一般型(一戸建て住宅) | 55㎡ | 25㎡×世帯人数+25㎡ |
※世帯人数が4人を超える場合は、上記の面積から5%を控除します。
例:世帯人数別の面積
よくある世帯人数で計算してみました。
住戸の型 | 単身者 | 2人世帯 | 3人世帯 | 4人世帯 | 5人世帯 |
都市居住型 (都市の中心及びその周辺) | 40㎡ (12.1坪) | 55㎡ (16.7坪) | 75㎡ (22.7坪) | 90㎡ (27.3坪) | 109㎡ (33坪) |
一般型 (都市の郊外及び都市部以外) | 55㎡ (16.7坪) | 75㎡ (22.7坪) | 100㎡ (30.3坪) | 119㎡ (36.1坪) | 143㎡ (43.3坪) |
世帯人数は、3歳未満は0.25人、3歳以上6歳未満は0.5人、6歳以上10歳未満は0.75人として少なく算定するという特例がありますが、ここでは10歳以上の者として記載しています。
この特例からもわかりますが、子どもの年齢が上がるほど賃貸集合住宅では手狭に感じ、一戸建て住宅がほしくなるのも納得できます。
最低居住面積水準の計算方法
こちらは、健康で文化的な住生活を営むための最低限の面積です。
算定式
単身者 | 2人以上の世帯 |
25㎡ | 10㎡×世帯人数+10㎡ |
例:世帯人数別の面積
単身者 | 2人世帯 | 3人世帯 | 4人世帯 | 5人世帯 |
25㎡ (7.6坪) | 30㎡ (9.1坪) | 40㎡ (12.1坪) | 50㎡ (15.2坪) | 60㎡ (18.2坪) |
算定式は今の時代に合っていない?
近年、建設資材や人件費の高騰、省エネ基準の見直しなどで、住宅面積が縮小しています。
管理人は2009年頃の新聞折り込みチラシに、総2階38坪の参考プランが掲載されていたのを覚えています。
住宅面積を減らせば総額を減らせるため、パンフレットに掲載される間取りも小さくなっています。
例えば、20坪代の間取りが増えているのもその影響です。
算定式は、2006年(平成18年)に最初の住生活基本計画が策定された時から変わっていません。
誘導居住面積水準のとおり建てようとすると、総額が非常に高くなり手が届かない人がたくさん出てしまうのではないでしょうか。

コメント